| 1 | 沖も暗いのに   白帆が見える   あれはな〜紀伊の国   みかん舟 | 
          
            | 2 | めでためでたの   若松様よ   枝もな〜伸びるし   葉も茂る | 
          
            | 3 | 酒は飲め飲め   茶釜で沸かせ   お神酒な〜上がらぬ   神は無し | 
          
            | 4 | ボボショボボショと   鳴く様な鳥は   鳥のな〜中でも   スケベ〜鳥 | 
          
            | 5 | 奈良の大仏   羽織を着せて   会津な〜磐梯山を   嫁にとる | 
          
            | 6 | ここの座敷は   目出度の座敷   鶴とな〜亀とが   舞を舞う | 
          
            | 7 | 丹波笹山   山賀の猿が   花のな〜お江戸で   芝居する | 
          
            | 8 | お前、百まで   わしゃ九十九まで   共にな〜白髪の   生えるまで | 
          
            | 9 | 俺とお前とは   卵の仲よ   俺がな〜白身で   きみを抱く | 
          
            | 10 | 息子どこ行く   青筋立てて   生まれな〜故郷に   種まきに | 
          
            | 11 | 万里の長城から   小便すれば   ゴビのな〜砂漠に   虹が立つ | 
          
            | 12 | 入れておくれよ   痒くてならぬ   私な〜一人が   蚊帳の外 | 
          
            | 13 | 昨日して寝た   朝まだ痛い   二度とな〜するまい   箱枕 | 
          
            | 14 | 浮世離れた   坊さんさえも   木魚のな〜割れ目が   気にかかる | 
          
            | 15 | 娘島田に   蝶々がとまる   とまるな〜はずじゃやよ   花じゃもの | 
          
            | 16 | どうせやるなら   でかい事やろぜ   奈良のな〜大仏   屁で飛ばせ | 
          
            | 17 | どうせやるなら   小さい事やろぜ   ノミのな〜金玉   揉み潰せ | 
          
            | 18 | 俺が死んだら   三途の川で   鬼をな〜集めて   相撲とぉ〜る | 
          
            | 19 | 娘十七、八   したがる頃よ   親もな〜させたがる   針仕事 | 
          
            | 20 | 娘十七、八   停車場の汽車よ   早くな〜乗らなきゃ   人が〜乗る | 
          
            | 21 | 娘十七、八   質家ののれん   入れたりな〜出したり   流したり | 
          
            | 22 | 二階貸します   お望みならば   下もな〜貸します   後家じゃもの | 
          
            | 23 | 俺とお前とは   羽織の紐よ   固くな〜結んで   胸に抱く | 
          
            | 24 | 父ちゃんの頭に   たくわん乗せて   これがな〜本当の   親孝行 | 
          
            | 25 | 父ちゃんの頭に   雑巾乗せて   これがな〜本当の   親不孝 | 
          
            | 26 | 閉めておくれよ   また行きそうよ   猫がな〜戸棚の   魚取りに | 
          
            | 27 | 仕掛けた所に   お客が来て   しぶしぶな〜止めるは   へぼ将棋 | 
          
            | 28 | 可愛がられて   撫でさすられて   見捨てな〜られたか   夏火鉢 | 
          
            | 29 | 私ゃ広げて   あなたが差して   差してな〜差される   蛇の目傘 | 
          
            | 30 | 人の女房と   枯れ木の枝は   上りな〜詰めたら   命がけ | 
          
            | 31 | 明日は御立ちか   お名残りおしや   雨のな〜十日も    降ればよし | 
          
            | 32 | 色気づいたか   八月蝉よ   松の木な〜相手に   腰をふる | 
          
            | 33 | 色気づいたか   うどん屋の娘   入れてな〜温めて   汁を出す | 
          
            | 34 | あなた抜いてよ   痛くてならぬ   早くな〜抜いてよ   薔薇のトゲ | 
          
            | 35 | 姉の破れ傘   させそうでさせぬ   妹にな〜日傘で   昼もさす | 
          
            | 36 | 吉田通れば   二階から招く   それもな〜鹿の子の   振袖で | 
          
            | 37 | 茶碗どんぶり鉢   落とせば割れる   娘な〜お初は   寝て割れる | 
          
            | 38 | 成りた成りたや   風呂屋の椅子に   おそそな〜舐めたり   眺めたり | 
          
            | 39 | 成りた成りたや   娘の下駄に   おそそな〜眺めて   散歩する | 
          
            | 40 | 西行法師は   お伊勢へ参り   読んでな〜拝んで   すすり泣き | 
          
            | 41 | 伊勢路なつかし   ご先祖さんが   呼んでな〜いるよな   春の風 | 
          
            | 42 | 伊勢参りに   朝熊(あさま)をかけよ   朝熊な〜かけねば   片参宮 | 
          
            | 43 | 伊勢の旅路に   うれしいものは   道のな〜眺めと   伊勢音頭 | 
          
            | 44 | お伊勢音頭に   心も浮いた   わしもな〜踊ろか   輪の中で | 
          
            | 45 | お伊勢参りに   扇を拾うた   扇な〜目出度や   末繁昌(すえはんじょう) | 
          
            | 46 | 伊勢へ七度   熊野へ三度   愛宕な〜様へは   月参り | 
          
            | 47 | 伊勢へ伊勢へと   萱の穂もなびく   伊勢はな〜茅葺き   柿葺き | 
          
            | 48 | わしが国さは   お伊勢が遠い   お伊勢な〜恋しや   参りたや | 
          
            | 49 | お伊勢よいとこ   菜の花続き   唄もな〜懐かし   伊勢音頭 | 
          
            | 50 | 帯に短し   襷に長し   お伊勢な〜参りの   笠の紐 | 
          
            | 51 | 馬は豆好き   馬子酒が好き   乗せたな〜お客は   唄が好き | 
          
            | 52 | 伊勢の豊久野(とよくの)   銭懸け松は   今はな〜枯れても   名は残る | 
          
            | 53 | お伊勢戻りに   この子が出来て   お名をな〜つけましょ   伊勢松と | 
          
            | 54 | 伊勢に行きたい   伊勢路が見たい   せめてな〜一生に   一度でも | 
          
            | 55 | 紅い灯のつく   新古市で   心な〜惹かれた   伊勢音頭 | 
          
            | 56 | 架けたケーブル   朝熊の山へ   通うな〜心は   奥の院 | 
          
            | 57 | 二八乙女の   手で焼き添えて   味もな〜二見の   壺さざえ | 
          
            | 58 | さした盃   中見て飲まれ   中にな〜鶴亀   御用の松 | 
          
            | 59 | 春が来たなら   小春さんを連れて   御伊な〜勢街道は   はるばーると | 
          
            | 60 | いたら見て来いよ   名古屋の城を   金のな〜鯱(しゃちほこ)   雨ざらし | 
          
            | 61 | いざりかつごうか   かごの中で   越すにな〜越されぬ   箱根山 | 
          
            | 62 | ここの裏には   みょうがふきはえて   みょうがな〜めでたい   末繁昌(すえはんじょう) | 
          
            | 63 | 傘の骨ほど   数ある中で   お前な〜ひとりが   俺の妻よ | 
          
            | 64 | 竹にすずめが   しなよくとまる   止めてな〜止まらぬ   色の道よ | 
          
            | 65 | 伊勢へ伊勢へと   大漁の船が   帆にはな〜的場の   桜の紋よ | 
          
            | 66 | 花は桜か   山は富士の   城はな〜尾張の   名古屋の城よ | 
          
            | 67 | 御伊勢参りで   扇ひろげ   扇な〜めでたい   末ひろがり | 
          
            | 68 | 伊勢の道中で   この子ができて   何とな〜つけます   伊勢松と | 
          
            | 69 | 今年は世が良い   豊年年よ   枡はな〜いらぬで   箕ではかる | 
          
            | 70 | めでためでたが   三つ重なれば   庭にな〜鶴亀   五葉の松 | 
          
            | 71 | 揃た揃たの   踊り子が揃った   稲のな〜出穂より   よく揃った | 
          
            | 72 | 霧の海から  丹波の富士が  ぼかしな〜絵の様に  浮び出る | 
          
            | 73 | 灘のお酒は  どなたが造る  おらがな〜自慢の  丹波杜氏 | 
          
            | 74 | 雪はちらちら  丹波の宿に  猪がな〜とびこむ  牡丹鍋 | 
          
            | 75 | デカンショデカンショで  半年暮らす  あとのな〜半年  ねて暮らす | 
          
            | 76 | 丹波篠山  鳳鳴の塾で  文武な〜きたえし  美少年 | 
          
            | 77 | 寒さしのんで  作りし酒で  春はな〜三三  九度の式 | 
          
            | 78 | 私しゃ丹波の  かち栗育ち  中にな〜甘味も  渋もある | 
          
            | 79 | 丹波篠山  その山奥で  一人な〜米つく 水車 | 
          
            | 80 | 一人米つく  あの水車  誰れをな〜待つやら  くるくると | 
          
            | 81 | 向うのお山の  紅葉が赤い  あれがな〜落ちたら  雪になる | 
          
            | 82 | 今年初めて  我が子の踊り  ほめてな〜下さい   お月様 | 
          
            | 83 | お国とわれて  肩いからせて  俺はな〜丹波の  篠山だ | 
          
            | 84 | ほりの櫻が  咲いたよ咲いた  城下な〜一面  花吹雪 | 
          
            | 85 | 踊りつかれて  家路に向かう  ほほにな〜夜霧の  心地よさ | 
          
            | 86 | 涼みしよとて  出てきた娘  またもな〜音頭で  汗をかく | 
          
            | 87 | ボート浮かべて  お壕の花見  流すな〜浮名を  恋でゆく | 
          
            | 88 | 風が吹く吹く  篠山城の  松にな〜武勇の  声高く | 
          
            | 89 | 踊り踊るなら  浮かれて踊れ  あすのな〜仕事は  あすのこと | 
          
            | 90 | 月が呼んだか  よばれて来たか  踊りな〜仲間が  ちらほらと | 
          
            | 91 | あの娘可愛いや  霧ふる夜は  たもとな〜ぬらして  逢いにくる | 
          
            | 92 | 姉も妹も  でかんしょゆかた  どれがな〜姉やら  妹やら | 
          
            | 93 | デカンショデカンショで  歌おて廻れ  世界いな〜づこの  果てまでも | 
          
            | 94 | 富士の白雪  朝日で溶ける  溶けてな〜流れて  三島にと | 
          
            | 95 | 三島女郎衆は  お化粧が長い  お化粧な〜長けりゃ  お客が困る | 
          
            | 96 | 石の地蔵さん  頭が丸い  頭な〜丸けりゃ  カラスがとまる | 
          
            | 97 | 娘島田は、  情けにとける  とけてな〜流れて  三島にと | 
          
            | 98 | 高い山から  谷底見れば  瓜やな〜茄子の  花盛り | 
          
            | 99 | 主と私と  二人で歩きや  人がな〜羨む  夫婦雛 | 
          
            | 100 | お前一人と  定めて置いて  浮気な〜其の日の  出来心 | 
          
            | 101 | 私の苦労を  半分なりと  させてな〜見せたい  時がある | 
          
            | 102 | つくり飾りの  ない山桜  野暮なな〜木振を  ありの儘(まま) | 
          
            | 103 | あの子良い子だ  豊浜美人  若いな〜俺も  一目ぼれ | 
          
            | 104 | ここは豊浜  祭の町よ  町のな〜若い衆  勢揃い | 
          
            | 105 | 何を待つのか  郵便ポスト  赤いな〜顔して  口開けて | 
          
            | 106 | うちの父ちゃん  狐か狸  夜のな〜夜中に  穴探し | 
          
            | 107 | うちの母ちゃん  洗濯好きで  夜のな〜夜中に  竿探し | 
          
            | 108 | うちの兄ちゃん  夜釣りが好きで  夜のな〜夜中に  竿伸ばす | 
          
            | 109 | うちの姉ちゃん  馬より強い  村のな〜若い衆  皆乗せる | 
          
            | 110 | 上のザクロは  何見て割れる  下のな〜松茸  見て割れる | 
          
            | 111 | 下の松茸  何見て伸びる  上のな〜ザクロを  見て伸びる | 
          
            | 112 | 早い早いと  威張るな新幹線  電気な〜止まれば  ただの箱 | 
          
            | 113 | 今日で最後だ  豊浜祭り  町のな〜若い衆  舞を舞う | 
          
            | 114 | 見ても見事な  屋島の山よ  根からえ〜生えたか  浮き島か | 
          
            | 115 | 屋島の山には  霞がかかる  鶴がな〜舞うような  遊鶴亭 | 
          
            | 116 | 鯉の滝昇り  どなしゅうて昇る  水にな〜さかろうて  しゃばしゃばと |